新築一戸建ての内覧会とは?意味やチェックリスト・持ち物は? 引渡し前内覧会・現地説明会に同行してきました。

こんにちは、仲介手数料が無料or半額でおなじみの「住まいるホーム」です。
まず内覧会とは、マンションや一戸建て等の住宅や不動産を購入した際に、物件にもよりますが建物や物件の全体を最終確認する様な意味で行われるものになり、どの辺りのチェックや確認をすれば良いのか、ポイントや全体の流れをおさえておくと良いかもしれません。
(「現地説明会」や「現地立会い」等ともいわれております。)
この内覧会にお立会いされる方は売主様や現場監督の方だったりしますが、現地で色々と確認できる機会ですので、気になる点等がある方は事前にチェックリストを作ったり、持ち物としては建物等の図面やメジャーがあればなお良いです。
なかには、ホームインスペクションと申しまして、有料にはなりますが建物の診断やアドバイスをしてくれる一級建築士等の方に内覧会の同行を依頼される方もいらっしゃいます。
本日は、新築一戸建てを購入した際の引き渡し前に行われる建物内覧会に同行してまいりました。
この内覧会や説明会のタイミングとしては、一般的には引渡(決済)の一週間ぐらい前までに行われる事が多いかもしれません。
といいますのは、まず買主様が購入の契約をするのは、工事中で未完成の時もあれば、建物が完成済の時もありますが、お金を全て支払ってお引渡しを受けるのは「完成した後」になります。
そこで引渡しを受ける前に、物件の説明を受けたり(設備の使い方や建物のメンテナンス方法)、一戸建てですと境界の確認をしたり、建物のキズや汚れ・不具合、等を確認して補修箇所があれば、全て直してからお引渡しとなります。
また、あまりにお引渡しの直前ですと、補修が間に合わなくなるので、少し早めにおこなわれる事が多いのですが、内容によっては決済(お引渡し)が終わってから、工事業者が家にお邪魔させて頂き補修等をするケースもあります。
なお、今回は新築物件ですが、中古物件の場合は原則として現況のままになりますので、キズや汚れを指摘して売主様に補修をしてもらうといった事はありませんし、そもそも中古物件の売買では引き渡し前の内覧会というのは無いケースがほとんどではないでしょうか。
(売主様にも個人の場合と宅建業者の場合もあったり、ケースバイケースですが・・)
ちなみに新築の一戸建ては、工事中に使用している玄関のカギは工事用キー(コンストラクションキー、略してコンスキーとも呼ばれます。)となり、お引渡し後に買主様が使うカギ(本キー)とは形状が異なりまして、一度でも本キーで開錠すると、それまで使用していた工事用キーは使えなくなります。
お引渡しの時には買主様に本キーが複数本渡されるのですが、それを使用してしまうと工事業者さんが工事用キーで建物に入れなくなるので、「補修が終わるまでは本キーを使わないでくださいねー。」といったケースもありますので注意が必要です。
(本キーは5本ぐらい頂ける事が多く、更にカードキーやチップの様な電子キーも最近は多いです。)
また、キズや汚れに関しては、お引渡し後ですと、元からあったものなのか、引越し業者様や買主様によるものなのか、といった責任の所在が不明なために売主様も対応ができない事も多いので、内覧会の時によくご確認して頂くことをおススメします。
ただ不具合に関しては、現実的にはお住まいにならないとわからない事も多いですし、その時には何もなかったとしても、後から調子が悪くなることもありますので、その際は売主様や工事業者様にご相談されると良いです。
新築物件については、現在では法令で10年保証が義務づけられておりますが、なんでもかんでも10年の保証ではなく、長期保証については重要な瑕疵のみになり、例えば「屋根や外壁等からの雨漏れ」や「建物構造の耐力上の主要な部分」に対する保証になります。
(「瑕疵」とは欠陥や不具合等の事、読み方は「かし」と読みます。)
ほとんどの建築メーカーさんや売主様では「アフターサービス規準書 (アフターサービス基準書)」を発行していると思いますので、たとえばクロス(壁紙)は2年、何々は1年、等々と記載しており、一度内容を確認しておくと良いです。
内覧会の流れとしては、まずは各お部屋を順番に回りながら汚れやキズを確認しつつ、設備等の使い方やメンテナンス方法等の説明を受けて、最後は外構や外壁等の外回りの確認と、境界の確認をするといったパターンが多いかもしれません。



こんな感じで補修箇所に付箋紙をぺたぺた貼ってもらいます。
境界の確認につきましては、隣地との境にフェンスや塀が有る事が多いとは思いますので、所有権が自分側なのか、それとも相手側なのか、もしくは共有になっているのか、といった事もよく確認しておく必要があります。
境界を明示する物としては様々あるのですが、主な物としては「コンクリート杭」や「石杭」、「プラスチック杭」、「金属標(金属プレート)」、「金属鋲(釘の様な物)」、になりますが、場合によっては「木杭」や「刻み(キザミ)」「ペンキ」、といった場合もあり耐久性等に不安があるケースもあります。
(そもそも、何かしらの要因で境界標が無くなってしまったケースや、元から無いといったケースもあります。)

コンクリート杭、矢印の先側が境界を示しています。

金属のプレート標、こちらは赤い矢印で見やすいです。

金属鋲の境界標でバツ印の交差した中心が境界点を示しています。
また現地の状況によっては、境界標が土に埋まっていたり、ガケや法地の上や下、擁壁の上や下等に有り、物理的に直接見る事が難しいケースもありますので、そういった場合は境界票の写真等を用意してもらうと良いかもしれません。
(※「法地」は「のりち」と読み、宅地として使えない斜面部分等の事で「法面(のりめん)」とも呼ばれます)

キッチンや洗面所にある事が多い、床下収納。

開けると、床下の収納ですが・・・

プラスチックのカゴを外すと床下点検口となり、基礎部分や配管等が確認できます。

断熱材や基礎のコンクリート、配管、鋼製束(こうせいづか)が見えます。
ちなみに1階で床鳴り等のきしみ音が発生した場合は、鋼製束の伸縮音である事もありこちらを調整する事で簡単になおる事もありますが、一か所だけ調整してもうまくいかなかったり周囲の束との均衡がくずれてしまう事があるので注意が必要です。
フローリング等の床材の下には、大引(おおびき)や根太(ねだ)という木材があり、それで床を支えているのですが最初はうまく調整されていても、木が湿気を吸ったり放出したりする事による伸縮が原因の事もあるかと思います。

屋根裏の点検口でクローゼット等の収納上部にある事も多いです。
こちらはマイナスドライバーやコイン等で開くタイプです。

洗面台の伸縮可能タイプの水栓ですね。
よくあるトラブルについてですが。


ここの穴は密閉されておりませんので、この状態で水を掛けない様に。

根元の部分に水をかけると、知らぬうちに洗面台下に水がたまって、
気づかずに放置すると腐敗臭がしてくるので注意です。
ごくまれに、一世一代の大きな買いものという事で、お気持ちはわからなくはないのですが、変に気合いが入りすぎてしまい、フローリングに這いつくばってほふく前進しながら小さなキズや汚れを見逃すまい、とされる方がいらっしゃいまして、そこまでなさる事はあまり意味が無いかと思います。
住宅という物は、美術品ではなく基本的に「住んだり、利用するための物」ですので、あまりに細かいキズ等はそもそも売主様の補修義務等も無いのと、そこまで気にしてしまうと精神的にご自身が疲れてしまいますし、住んでいれば多少の汚れやキズは必ずつくといっていいほどさけられません。
ただ、例えば窓や扉がうまく閉まらないといった事や、傾いていたりスキマがあったり、あるべき部品が欠損していたりぐらついている等々の不具合があった場合は直して頂くべきですので、要点をうまくおさえて、大事なところや確認すべきところをチェックしていくと良いかと思います。