まずは、一般の方ですと相場はよくわからないと思うので、不動産売買の仲介をメインにしている近隣の不動産業者や、売却査定の一括サイトの様な物もあるので、簡易的な査定を依頼すると良いかと思います。
その中から、雰囲気の良さそうな不動産業者を選定して、実際に物件を見て頂いたり、必要があれば内覧をしてもらって、より精度の高い査定を出してもらうと良いです。
ただご注意頂きたいのは、一般的に不動産の価格査定というのは、本当に不動産業者が売れると思っている金額より「少し高め」に伝えられるケースが多いと思います。
(不動産業者によっては、あえて「かなり高い価格」を提示する事もあり要注意です。)
それは、不動産業者からしても何社にも査定依頼されている、という事がわかっている状況では、「他社の査定より安い価格をつけて、最初の段階で嫌われたくない。」といった心理が働きますし、実際に個人の売主様の場合は「私の大事な物件に高い金額をつけてくれた!」という事で、高額査定の業者の方が「頑張ってくれそう・・」という気持ちになってしまいやすいのです。
ただ実際には、不動産には適切な相場がありますし、各不動産業者も物件価格を査定する際は「レインズ」という不動産業者専用のデータベースに登録されている情報を主に参考にして価格を調べるので、元をただせば、各業者とも同じ様なデータを参考にして値付けをしているのが実状です。
また、価格査定の際は、公的な土地評価情報である「地価公示価格」、「都道府県地価調査価格」、「固定資産税路線価等」、「相続税路線価等」、といったデータも併用して参考にするケースもありますが、現実的な価格としては、「近隣の販売状況」や「過去の成約事例」の方が実際の取引額の参考になるので、こちらのデータの方をより重視するべきになります。
仮に数社から査定金額の提示を受けたとして、その際は不動産業者からの査定書等の内容を全てうのみにするのではなく、各種のデータをご自身でもよく見て、じっくりと考えてみてください。
その上で、例えば極端な例ですが各社の査定額が、A社「3,000万円」B社「4,000万円」C社「5,000万円」、といった場合にどれが現実的に一番近いのか、といった事を判断してみる事が必要です。
まれに、「各社の平均が適正価格」といった様な書籍やサイト情報を見かける事もありますが、一番安い金額が一番正しい金額かもしれませんし、逆に一番高い金額が正しいかもしれい、といったかもしれませんので、不動産業者からアドバイスとデータを頂いて、最終的には売主様が的確に判断する事になります。
また結局のところ、査定額はあくまでも査定額なので、成約する価格とは別物になり、一番大事なのはどの様に販売を進めてくれるのか?どういった売却戦略なのか?広告等の出し方や販売図面の作成方法は?といった点を、不動産業者に確認する事が大事になります。
そのさいに注意するうたい文句としては、「弊社では、このマンションで探している顧客をたくさんかかえています!」や「周辺の一戸建てやマンションに広告チラシ等もたくさんまいて、頑張ります!」という営業マンの方も多いと思いますが、これらは不動産売買に詳しくない一般のお客様への典型的なセールストークでもあり、それどころか、こういった販売手法は実は適切でないどころか悪い売却方法です。
なぜかといいますと、前述の販売手法は「自社のお客様で買主を見つけます!」と言っている様なもので、より良い販売手法としては「自社のみでなく、他の不動産業者からも広告や物件紹介をしてもらって、多数の販売会社により広い範囲で買主様を探します。」と言ってくれる不動産会社に任せるべきです。
(もちろん、言ってくれるだけではなく、実態がともなっていないとダメですが・・・)
またいかにインターネット等を有効に活用して多角的に幅広いお客様へアピールしていく事ができるか、といった事が重要になり、意外と不動産業界はアナログだったりして、WEBマーケティングが全くできなかったり無知な営業マンも多いので、そういった能力を推し量る事も必要です。
ただ実際のところ、多数の会社を利用して買主を探してくれる不動産業者の方が少なく、簡単に理由をいいますと不動産業者はできるだけ自社のお客様で買主を探した方が儲かるからなのです。
(両手取引といって、売主様と買主様の両方から仲介手数料を得れるので、不動産屋は取引2件分の収益をあげれます。)
ちなに皆様がご存知の、テレビCM等をしている大手不動産業者様や雑誌広告をたくさんやっている有名な不動産会社ほど、実は売主様には不利益である「基本的に自社で買主も探す売却方法。」が多く、大手だから任せておけば安心だろう・・といった考えは非常に危険で、ひどいケースだと「物件情報の囲い込み」をされてしまい多大な損害に有っているのに売主様は気づいてもいない、といった事もよくあります。
(「不動産の囲いこみ」については説明が長くなってしまいますので、インターネットで検索して頂くと色々な実状を知ることができます。)
色々と話が脱線しましたが、適切な価格設定の方法としては、まず「いつまでに、最悪いくらまでで売りたいか」といったご自身の計画を固める事が大事になります。
不動産の売主様は早期売却希望の方もいれば、長期戦覚悟でじっくり販売といった方もいれば、周囲には秘密で水面下で売りたいといった方、等、様々な事情がありますので、それに合わせて戦略やスケジュールを組み立てていく必要があります。
例えばですが、「できれば3か月以内、長くても6か月以内には売りたい。」といったケースで、どの様な価格設定にすればよいか一例を考えてみたいと思います。
また仮に、近隣物件の相場情報や過去の周辺の成約事例から考えると「5,000万円」ぐらいが予想価格であり、投資物件やビジネス用途ではなく、一般住宅の物件だったとします。
その場合ですと日程の余裕がある方なので、最初の1か月はスタート価格(チャレンジ価格といったりもします)として「売れればラッキー」といった感覚で、「5,480万円」等で販売を開始してみて、相場より高くても稀に、たまたま価格をあまり気にせず探している方や何らかの事情ですぐに買いたい方等にヒットすれば高値成約できる可能性もあります。
そして1か月過ぎて、やはり高くて売れない様なら、次は「5,280万円」に下げて2か月ほど様子をみて、それでも売れなければ最後の3か月間には相場価格の「5,080万円」や「4,980万円」でしっかり売り切るといった様なイメージでしょうか。
尚、価格を下げる際には物件の価格帯にもよるのですが、例えば5,000万円ぐらいの価格帯だと100万円下げても効果が薄いので、下げるのであればメリハリをつけるためにも200万円ぐらいは下げた方が良いです。
まれに売主様の中には、「欲が出てしまい」この最初のチャレンジ価格を長く引っ張りすぎてしまったり、無茶な高い価格を設定しすぎてしまい、結局なかなか売れず、後でやっと下げたころには「売れ残り物件」というイメージになってしまい、最終的には当初の想定以上に値段を下げざるをえず損をする・・というケースもみかけますので、価格変更のタイミングや価格設定は売却活動において非常に大事になります。
ただ実際に不動産の売主になると気持ちはわかるのですが、物件の問合せがチョコチョコあったり、ご案内や内覧等の方が多少なりともいらっしゃると、「もしかして高値でも決まるんじゃないか。」と、変に期待してしまったりすることもあるのですが、実際には真剣にご検討されていなかったり、売れそうな価格とは程遠いケースもあるので冷静な判断が必要です。
(売れづらい事をわかった上でも、あえて高値で販売し長期戦覚悟の方は問題ありません。)
販売物件がマンションなのか土地や戸建なのか、エリアは都心か郊外が、といった事にもよるので一概に言えませんが、きちんとした売却方法で販売をしていれば、?基本的に相場なりの適正な価格で販売していると3か月以内で売れるかと思いますし、場合によっては1か月以内の成約もザラにあります。