~管理適正評価制度によって明らかにされたトレンドとは?~

1. 管理の“健康診断”、その名は「管理適正評価制度」
「管理適正評価制度」は、マンション管理業協会が実施する制度であり、分譲マンションの管理状況を可視化するために導入されました。専門家が計30項目をチェックし、その結果を★の6段階で評価します。この評価項目は管理体制から建築・設備、管理組合の収支、耐震診断、生活関連など多岐にわたります。
2. 2023年、注目の登録状況を大公開!
2023年度第1四半期の時点で、この制度に登録されているマンションは合計1,359件です。初回登録が1,355件、2回目の登録が4件となっています。★3の評価が最も多く、全体の34%(457件)を占めています。
3. 都市の拠点、管理の現場
地域別では、東京都が最も多く、461件(33.9%)が集まっています。次いで大阪府が163件(11.9%)、神奈川県が147件(10.8%)と続いています。
4. 大きなマンション、大きな信頼
戸数が多いマンションほど高い評価(★5)がつく傾向にあります。具体的には、400戸以上のマンションでは★5の割合が80.6%と非常に高く、一方で50戸未満では14.7%となっています。
5. 新築の輝き、老朽化との戦い
新しいマンションほど高い評価(★5)がつく傾向があります。しかし、1971~80年に竣工したマンションでも、★5を獲得している物件が存在します(1.6%)。
6. データから見る多様なマンション群
戸数別では、50戸未満のマンションが全体の57%を占めています。竣工年別では、01~10年竣工のマンションが最も多く、全体の27%を占めています。
7. 未来のマンション生活、明るく透明なビジョン
管理適正評価制度は、マンションの管理状況を明確にし、住民や購入検討者にとって信頼できる情報を提供する重要な制度です。戸数が多いマンションや比較的新しいマンションほど、管理が適切に行われている傾向が明らかにされています。これからもこの制度を活用して、より質の高いマンション生活を実現していくことが期待されます。

▼『マンション管理適正評価制度について』▼
■ マンション管理適正評価制度とは?
マンション管理適正評価制度は、マンションの管理状態や管理組合の運営状態を6段階で評価し、インターネットを通じて情報を公開する仕組みです。この制度はマンションの長期的な価値を維持・向上させ、健全な管理体制の確立を支援するために導入されました。専門家の評価を受け、管理組合自らがその情報を開示します。
■ なぜ重要なのか?
日本のマンションストックは増加しており、中には高齢化した物件も多く存在します。一方で、管理組合の財政逼迫化も進行しています。この制度は、適切な管理と運営体制の構築を通じて、マンションの価値を維持・向上させることを目指しています。
■ 評価のポイント
評価は以下の5つのカテゴリーから合計点数が計算されます。
1. 管理体制(20P)
- 組合の運営がスムーズに行われているかどうかの評価
2. 建築・設備(20P)
- マンションを長く使用するための維持管理体制の評価
3. 管理組合収支(40P)
- 安定した財務基盤の評価
4. 耐震診断関係(10P)
- 長期の安全性確保のための耐震対策の評価
5. 生活関連(10P)
- 住民の快適な生活環境の評価
これらのポイントの合計に基づいて、以下の6段階で評価されます。
- ◎ 90~100点(特に優れている)
- ● 70~89点(優れている)
- ■ 50~69点(良好)
- □ 20~49点(改善が必要)
- 〇 1~19点(問題あり、情報開示あり)
- なし 0点以下(管理不全の疑いあり)
■ メリット
1. 具体的な目標設定が可能
- 評価結果に基づいて、管理組合は具体的な目標を設定し、運営の方針を明確化できます。
2. 持続的な改善が可能
- 評価結果に基づき、組合は課題に対処し、適切な管理を続けることができます。
3. 市場価値の向上
- 公開された管理状態情報により、マンションの市場評価が向上し、売却時の価値向上に寄与します。
4. リセールバリューの向上
- 適切な管理が行われれば、物件の価値(リセールバリュー)が長期間維持・向上します。
これにより、マンションの価値向上が実現し、現在の住人だけでなく将来の購入者にとっても魅力的な環境を提供できます。