
2023年のオフィス需要調査が示す新たな働き方のトレンド
在宅勤務、テレワーク、リモートワーク。これらの言葉は、COVID-19のパンデミックが引き起こした世界的な変動の中で私たちの生活と働き方の中心となりました。多くの企業はオフィスからの離脱を余儀なくされ、リモートワークを標準的なものとして受け入れました。しかし、2023年春の新たな調査によれば、このトレンドは必ずしも継続しているわけではないようです。
■1. ザイマックス不動産総合研究所の最新調査とは
(株)ザイマックス不動産総合研究所は、大都市圏のオフィス需要に関する2023年春の調査結果を発表しました。この調査は、ザイマックスグループが管理・運営するオフィスビルのテナント、法人向けのサテライトオフィスサービス「ZXY」の契約先、およびグループの取引先を対象としたもので、合計で4万7,616件に及ぶ大規模なものとなりました。
■2. オフィス面積の変化:縮小から拡張へ
過去1年間のオフィスの面積の変化を見てみると、驚くべき結果が明らかになりました。2021年春の調査を基準にすると、「拡張する」と回答した企業の割合が増加しており、現在12.5%となっています。一方で、「縮小する」と答えた企業は10.8%にとどまり、拡張トレンドが上回ったことがわかります。これはコロナ禍の影響で多くの企業がオフィスの縮小を選択していたトレンドが落ち着きつつあることを示しています。
■3. オフィスの在席人数と面積の関連性
興味深い点として、オフィスの在席人数の増加とオフィス面積の拡張は必ずしも直結しない可能性が示されました。具体的には、今後オフィスの在席人数が「増える」と回答した企業は35.4%でしたが、オフィス面積を「拡張したい」と答えた企業は15.6%に過ぎませんでした。
■4. 完全出社のトレンド
現在の出社率に関しては、「100%出社」と回答した企業の割合が25.7%となり、コロナ禍以降で最も高い数値となっています。今後の意向でも、この「完全出社」の割合は25.6%とほぼ変わらないことが予測されています。
■5. 在宅勤務制度の変遷
2021年春の57.0%がピークとされていた在宅勤務制度の導入率は、現在45.6%と減少傾向にあります。しかし、サテライトオフィスの導入率は増加しており、現在30.3%となっています。
■結論:
コロナ禍の影響を受け、多くの企業がリモートワークや在宅勤務を導入しました。しかし、時が経つにつれて、企業の働き方の選択肢やニーズは多様化しています。ザイマックス不動産総合研究所の最新の調査結果は、これらの変遷やトレンドを明らかにしており、今後の働き方の動向を予測する上で非常に参考になるものとなっています。