究極の省エネ住宅「スマートハウス」とは
国交省が公表した2020年までの政策方針では、ゼロエネ住宅の標準化が盛り込まれている。東日本大震災及び、福島の原発事故をきっかけとして、消費者の意識は省エネや自然エネルギーに向かっているが、ゼロエネ仕様を設備装置として対応することは中小工務店にとって大手メーカーやビルダーに対抗することの難しさがあるようだ。
しかしこの状況の中、経済産業省はスマー卜ハウスの標準化に向けた検討会を行い、とりまとめを始めた。
同省はこのほど、エネルギー消費を最適にする次世代の省エネ住宅「スマートハウス」の普及に向け、家電と次世代電力計(スマートメーター)などがデータをやりとりする通信方法の標準規格を決めた。
ゼロエネ住宅『スマートハウス』登場
「スマートハウス元年」と呼ばれた2011年。
その代表的なモデルが、積水ハウスが市場に投入した「グリーンファーストハイブリッド」だ。
世界初の3電池(太陽電池・燃料電池・蓄電池)を搭載した住宅商品で、「HEMS」 (ホームエネルギーマネジメントシステム)を搭載、3電池の連動制御を実現しているとされる。
その後、後を追うように、"スマートハウス仕様"の住宅が各ハウスメーカーによって市場に投入され、普及へと向かつて走り出した。
進化しつつある究極の省エネハウス「スマートハウス」とは、ITを駆使して、今までの生活を変えることなく無理せずにエネルギーを賢く使う家」のことである。
エネルギーの消費を抑える「省エネ」、各家庭でエネルギーをつくる「創エネ」、家庭にエネルギーを蓄えておく「畜エネ」。
さらにこれらのエネルギーを集中コントロールする「HEMS(へムス)」の設置をいう。
「HEMS」は、全てのメーカーの電気製品までもコントロールし、家庭内の電力を最適な状態に制御することができる。
現在、その実現に向け、政府、関連企業・団体の動きが活発化しようとしている。
3年以内に何らかの成果を目指している。
〜車と家が一体化で産み出す燃料〜
スマートハウスは
1.無理せず「省工ネ」;気密性や断熱性といった住まいの性能を高めることで、エアコンの使用量を減らす。
光や風を上手に取り込む、樹木などで直射熱を抑える、節水機能の高いトイレなど、エコ家電を導入するなど自然の恵みを有効活用する。
2.家庭でエネルギーを創る「創エネ」 ・ 「太陽光発電」、天然ガスから取り出した酸素と水素から電気と熱をつくる「家庭用燃料電池」、地中熱を利用して冷暖房や給湯に利用する「地中熱ヒートポンプ冷暖房システム」 など、自宅でエネルギ一をつくる「創エネ」で地産地消を目指す。
3.家庭用蓄電池;リチウムイオン蓄電池など、すでに商品化されたものもある。
太陽光発電から電気自動車への充電、電気自動車で家の電気をまかなうための実証実験も現在行われている。
すでにトヨタホームは、電気自動車やプラグインハイブリッド車が住宅と一体となったスマートハウスを販売している。
4.家庭内のエネルギーを集中管理するHEMS:スマートハウスの重要な要素で、各部屋の使用電力や1日ごとの電気代金を、HEMSで「見える化」して、エネルギーを効率的に使える。
また、蓄電池の電力を電気料金が高い時間帯に使うよう自動切替できるものもある。
平成22年度の太陽光発電システム平均設置価格(機器・工事費込)は、1kw当たり57万円、4kWなら228万円になる。
設置の際は国・都道府県・地方自治体のそれぞれから補助金を受けられるメリッ卜も。
国の補助金は太陽光パネル1kW当たり3万5000円、もしくは3万円(2013年3月29までの申請の場合)で、4kWでは14万円、もしくは12万円になる。
都道府県や地方自治体は独自の制度で実施しており、金額や募集時期は異なっている。
全日かながわより〜仲介手数料無料不動産センター2012/11/20